シドニー (Sydney, 発音は/ˈsɪdniː/) は、オーストラリアで最大また最古(1788年開基)の都市であり、ニュー・サウス・ウェールズ州の州都である。
概要
人口は約400万人、オーストラリア大陸南東岸のポート・ジャクソン湾(シドニー港)およびボタニー湾に面し、港湾都市として知られる。メルボルンとともに、オーストラリアの経済、交通、流通、文化の中心であり、オセアニアを代表する世界都市である。国際的な観光都市でもあり、世界でもっとも美しい都市といわれる都市のひとつでもある。海に臨むオペラハウスなどが有名。2000年には夏季オリンピック、「シドニーオリンピック」の開催地となった。
300 km南西に、特別区である首都キャンベラが所在するが、経済や文化の規模ではシドニーのほうが活発である。それもあってか、シドニーがオーストラリアの首都であると誤解する者も少なくない。
歴史
詳細はen:History of Sydneyを参照。
シドニーの名はイギリスの政治家、シドニー卿(シドニー子爵)トマス・タウンゼントにちなむ。
シドニー湾沿岸には少なくとも4万年前からアボリジニが定住していた。ヨーロッパ人の関心がこの地域に向かうのは、ジェームズ・クックが1770年、ボタニー湾に航海して後である。 イギリス人による最初の入植は1788年で、最初はニュー・アルビオンと命名されたが、まもなく理由は不明ながらシドニーとよばれるようになった。このことは植民地開設の特許状がシドニー卿のあっせんで交付されたことに由来すると思われる。流刑植民地として急速に発展し、1822年にはすでに銀行、市場、発達した道路網、警察隊を備えた町となった。1847年には囚人が人口にしめる割合はわずか 3.2 パーセントにまで下がった。
当時シドニーにはヨーロッパより週ごとに船が来航し、イギリスや他のヨーロッパからの移民が到着した。1851年最初のゴールドラッシュが起きると、シドニーの人口は急激に上昇し、工業化が急速に進んで、シドニーは大都市となった。20世紀初頭には人口は100万人に達した。20世紀を通じてシドニーの人口はヨーロッパ、のちにはアジアからの移民を受け入れて増加し、現在の都市が作り上げられていった。
人口推移
シドニー居住者の大多数はイギリス及びアイルランド系である。近年の入植者はイタリア人、ギリシャ人、レバノン人及びアジア系が含まれる。
- 1800年:2,540人 (居住者)
- 1820年:12,000人
- 1851年:39,000人
- 1871年:205,800人
- 1901年:487,900人
- 1925年:1,039,000人
- 2003年:400万人
- 2050年:600万人 (予想)
歴史年表
- 1788年:最初のヨーロッパ人移民が入植。
- 1852年:市として公認される。
- 1855年:パラマタとシドニーを結ぶニューサウスウエルズ最初の鉄道路線が開通。
- 1870年:Intercolonial 博覧会
- 1879年:シドニー国際博覧会
- 1883年:パラマタ - Intercolonial Juvenile Industrial Exhibition
- 1901年:1月1日、シドニーでオーストラリア連邦の結成が宣言される。
- 1932年:シドニー・ハーバー・ブリッジ完成。
- 1942年:日本軍の特殊潜航艇によるシドニー港攻撃。
- 1973年:シドニーオペラハウス完成。
- 2000年:夏期にシドニーオリンピック開催。
- 2007年:6月28日にシドニーオペラハウスが世界文化遺産に登録される。
地理
詳細はen:Geography of Sydneyを参照。
シドニーの主要河川は西からポート・ジャクソン湾に注ぐパラマタ川(Parramatta River)。
文化
詳細はen:Culture of Sydneyを参照。
シドニーで一番有名な歴史的建造物は、ともに世界的知名度を誇るハーバー・ブリッジとシドニー・オペラハウスであろう。その他、南半球で2番目に高いシドニータワー(別名センターポイントタワー又はAMPタワー)、シティ中心部にあるクイーン・ヴィクトリア・ビルディング(略称QVB)などが有名。ダーリングハーバーも人気の観光地である。国内ではシドニーとメルボルンにしかない地下鉄CityRailがある(但し純粋な地下鉄ではなく、近郊では地上を走る電車がシティのみ地下を走るもの)。
1920年代に建造され、クリケットの国際試合を数多く開催した、オーストラリアン・フットボールチーム、シドニースワンズのホームグラウンドでもあるシドニークリケットグラウンドは、長らくシドニー最大の競技場だったが、最近では、2000年のシドニーオリンピック大会のメイン会場としてシドニー・オリンピック公園に建築された、当時国内最大のANZスタジアム(名称はネーミングライツによる。杮落とし当時は"スタジアム・オーストラリア")に取って代わられている。
観光
- ボンダイビーチ
- FOXスタジオ、オーストラリア
- ダーリングハーバー
- en:チャイナタウン
- チャイニーズガーデン
- キングストリート・ワーフ
- オーシャンワールド(マンリー)
- シドニー港、正しくはPort Jackson
- シドニー・オペラハウス
- ザ・ロックス
- ウロンゴン
- シドニー天文台
- ハーバー・ブリッジ橋脚展望台
- シドニータワー(別名:AMPタワー、AMPセンターポイントタワー、センターポイントタワー、センターポイント)
動物園
- AUSTRALIAN REPTILE PARK オーストラリア爬虫類公園
- THE AUSTRALIAN WILDLIFE PARK オーストラリア野生公園
- BLUE GUM FARM ZOO ブルー・ガム・ファーム動物園
- FEATHERDALE WILDLIFE PARKフェザーデイル・ワイルドライフ・パーク
- KOALA PARK コアラ・パーク
- TARONGA ZOO タロンガ動物園
- WARATAH PARK ワラタ・パーク
水族館
博物館・美術館
- THE AUSTRALIAN MUSEUM オーストラリア博物館
- AUSTRALIAN NATIONAL MARITIME MUSEUM 国立海洋博物館
- JUSTICE & POLICE MUSEUM 犯罪博物館
- MUSEUM OF SYDNEY シドニー博物館
- POWERHOUSE MUSEUM パワーハウス博物館
- SUSANNAH PLACE MUSEUM スザンナ・プレイス
- SYDNEY JEWISH MUSEUM シドニー・ユダヤ博物館
- TOY & DOLL MUSEUM おもちゃ&人形博物館
- THE ART GALLERY OF NEW SOUTH WALES, NSW州立美術館
- MUSEUM OF CONTEMPORARY ART, 現代美術館
経済
詳細はen:Economy of Sydneyを参照。
南半球屈指の経済の中心であるシドニーはオーストラリアの商工業、金融、交通の中心都市のひとつである。国内有数の企業が本社をおき、国内最大規模のオーストラリア証券取引所(ASX)と、オーストラリア準備銀行(RBA)がある。シドニー港の中心はポート・ジャクソン湾だが、南のボタニー湾にも重要な港湾設備がある。キングスフォード・スミス国際空港(シドニー国際空港)は国内最大の国際空港である。鉄道、高速道路、フェリー、水中翼船などの交通網も整備されている。おもな輸出品は小麦・羊毛・食肉など。
交通
詳細はen:Transport in Sydneyを参照。
南部近郊のen:マスコット地区には、国際線・国内線を問わずほとんどの定期便が発着するキングスフォード・スミス国際空港がある。都心近くのen:サーキュラー・キーには、国際旅客船ターミナルがある。州内・州外との長距離列車(パース行きのインディアンパシフィック号など)はen:セントラル駅に発着する。同駅構内には高速バスターミナルがある。
都市交通としては通勤電車・路線バス・フェリー・双胴船・ライトレールがある。モノレールも市内を運行しているが、利用するのは主に観光客である。
メトロライトレール |
教育
大学
シドニーにある大学: シドニー大学、UNSW (ニューサウスウェールズ大学)、マコーリー大学、シドニー工科大学、西シドニー大学、オーストラリアカトリック大学の2つのキャンパスがある。
オーストラリアの大学リストも参照。
TAFE
姉妹都市
活躍する日本人
外部リンク
- 公式
- シドニー市公式サイト (日本語)
- 日系機関
- 旅行
- その他